あやかし会社の社長にされそう。

『水沢 あきと』の新作は「転職先は妖怪だらけのコールセンター!?」


あやかし会社の社長にされそう。
メディアワークス文庫/水沢 あきと (著)/ KADOKAWA
文庫: 370ページ

メディアワークス文庫』から書き下ろしで発売、水沢 あきとの
お仕事小説の新作です。
今回の設定はちょっと変わった舞台で、妖怪もの。でも主人公はちゃんと人間の
女の子です。
アパレルチェーンに就職するも、そこは典型的なブラック企業。そんな理由から
僅か就職9ヶ月で退職した『萩原優奈』が次の就職先を父から紹介された先は…
なんと『妖怪』ばかりの『九十九コールセンター』だった、と始まる
作者お得意の『ビジネス』小説、初日の面接で『ぜひ次期社長になってほしい』
との話が飛び出す急展開、実は父が創った会社だった… 

そんな内容紹介が帯に煽られており、メディアワークス文庫10月の新作と
言う事で平積みされておりました。
表紙は『Gれ』さん、『メディアワークス文庫』は殆ど挿絵が無いので
内表紙カラーは?と開けばインカム付けた『しろイタチ』のイラスト。
オフシャルではこの二枚かとちょいと残念。
内容をちょっと紹介しちゃいますと『コールセンター』業での契約や、
お客様とのやり取りを、妖怪達が四苦八苦の赤字経営。さら今期は
黒字にしなけりゃ倒産!って所から始まります。

業界の『あるある』や、え〜っここまでブラックな不平等契約を後付けで!
妖怪じゃなくてもへこむよね、と思わされるコール先の客対応。いや人間でも
嫌です。
正攻法もあればヤル気を出させるメンタルモチベでカバー作戦。最後は
表題通りの力技(?)。
業界小説やお仕事小説に抵抗が無ければお薦め、登場人物は人間が
殆ど関わらないので恋愛ネタは期待しちゃダメです。あとラノベ脳な人には
萌や漫画的ギャグ要素が無いので表紙で選ぶのはお薦めしませんね、
主人公一人称なので当然と言えば当然、。
適度な改行や会話挿入が上手く説明蘊蓄がないのでゆっくり読まれても
2〜3日あれば大丈夫。実質350ページですが、それらをあまり感じさせずストレス
無く読めたので字数的にはそれほど詰まってはいないかと思われます。


さて、読み切りなのでしょうか?。お仕事ネタならさらなるライバル企業が!
で続けられそう。
しかし恋愛ネタを絡ませるなら今度は男性登場させないとダメですよね?
それこそ父親って?。綺麗に起承転結されてますから要素は少ない?
妖怪ネタが思ったよりも少なかったのはちょいと残念。
最後に『天狗』もデレちゃいましたから纏まったと言えば纏まったかな。